こんにちは!
徳島県徳島市にある「有限会社 伊川彫刻店」です。
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日本は南北に長く、亜熱帯から亜寒帯に及びます。
高低差も激しく、植生は変化に富んでいて、多くの樹種に恵まれています。


屋久杉のように、同じ杉でも他地域のものとは
まったく異なる風貌に育ったり、小笠原桑のような固有種を生み出したり
さまざまな特性を生むのも、日本の風土の特徴といえます。


しかし、そのなかで素材としての木材は
乾湿に耐える寸法安定性、加工性の良さ、強さ
そして美しさなど、多くの条件を必要とします。


また、安定的に供給があることも重要となっています。


こうした条件をクリアして、家具材として使われる
有用樹種は、けっして多くはありません。


さて、その木目の出方、言い換えれば
丸太から、どのように板材を取るかによって
表情、性質におおきな違いが出てきます。


年輪の接線方向に取った板を「板目」といい
変化のある木目が出ます。


いっぽう、中心を通るようにとったものを「柾目」といい
その中間的な部分を「追柾(おいまさ)」と呼びます。


「板目」は幅の収縮が大きく
生木から材料になるまでに8~10%も縮みます。


それに対して、「柾目」は1.5~2%と小さく
また、中品部よりも樹皮に近いほうが収縮が大きいです。


漆器の素地のようなものには、安定性を重視して
「柾目」を使いますが、木工作品となると
変化に富む「板目」は、意匠性に大変優れたものがあります。


これまでに受け継がれてきた作品には
良材を見抜く木工作家たちの鍛えられた目と
かつ、高度に発達した木工技法が、集約されていると言えるのです。

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